骨粗鬆症外来

治療の基本は食事と運動
骨は沈黙の臓器です。体を支え守りカルシウムを貯蔵していますが、骨折して初めて、骨がもろくなってきたこと=骨粗鬆症と分かることが多くあります。すでに骨折し変形が残る場合には手術を行います。
しかし、その後放置して再び骨折、手術を受ける方がおられます。骨折は治せても『骨粗鬆症は治せていない』のです。骨粗鬆症の治療の基本は食事と運動です。バランスの良い食事を取り、よく運動していれば骨の量が保たれます。
しかし特に更年期後の女性では数年で急に骨が減ることがあり、軽い転倒で手首や背骨を折るなど、四肢の痛みや変形を抱えやすくなります。骨密度検査で若い頃の7割以下なら、骨粗鬆症です。別の病気が重なっていることもあり、よく調べる必要があります。
投薬治療はここ10年で大きく進歩した分野ですが、年単位の通院治療を要することが多く、よく説明を受け理解ししっかり続けて頂くことが重要です。骨密度検査や血液検査を定期的に行い、体に薬が合っているかを診てもらいましょう。
いま一番よく用いられているのは【ビスフォスフォネート製剤】です。多くの種類が発売され、月1回製剤や点滴も登場しています。骨を減らす細胞を抑制し、年間3%程度骨を増やします。しかし起床時に空腹で内服する、また事前に歯科チェックが必要など制約もあります。
二番手は【女性ホルモン製剤】あるいは【骨への要素だけ取り出した女性ホルモン製剤】です。毎日内服で少しずつ骨が増えますが、男性には処方できず、また下肢静脈血栓症の既往がある方には使用できません。
骨折を繰り返す患者様には、短期間でグッと骨を増やすため【副甲状腺ホルモン注射】を考慮します。効果が高く年間10%程度骨が増えますが、毎日自己注射もしくは週1回通院注射で、比較的高価なため重症の患者様が対象です。
ごく最近【分子標的注射】が発売されましたが、半年に1回の注射で良いものの、慎重な通院と経過観察が必要です。
特に背骨の骨折をした患者様には痛みを軽くするため【カルシトニン注射】を用います。また古くから【カルシウム剤】【ビタミン剤】が用いられ、骨の原料となるため大切です。しかし食事で補えることも多く、また心臓や血管の病気、尿路結石や腎臓病がある方では注意が必要です。
整形外科は18世紀にフランスで小児四肢変形を矯正する学問として生まれ、その後広く手足や背骨の変形・痛みを扱う専門領域へと発展してきました。手術ではチタンなど金属を用いることが多く、再手術を避けるためには骨を丈夫にする必要があります。京都民医連太子道診療所ではKOOLS(Kyoto min-iren・Observant・Osteoporosis・Liaison・Service)「骨粗鬆症チーム」を作っています。患者様ができるだけ永く元気ですごせるように、最新の骨粗鬆症診療を提供します。